オグリキャップ(2)
この敗戦後、再び休養し、5歳春の緒戦に陣営が選んだのが、GⅠ・安田記念だったのだ。休み明けでいきなりGⅠ。不安視する声も大きかったがファンはオグリを1番人気に支持した。そして鞍上は武豊。今回が初めてのコンビになるのだが、実は彼はオグリに騎乗する前は、嫌いな馬はオグリだと公言していた。ある意味、武豊流のオグリへの賞賛含みの言葉ではあるのだが、ファンの間では、何故に豊を乗せるのだ?という議論もあったほどだ。
当然4人の中でもオグリの鞍上武豊を歓迎する者と歓迎しない者に分かれた。
中でも日向は頑なに反対論を語っていた。オグリの物語にはエリート騎手である武豊は必要ないと…武豊で勝ってもオグリらしくないと言い張っていた。
他の3人は歓迎派で、スターホースとスタージョッキーの競演は、日本最強馬に相応しいというものだった。
最強馬。何を以って最強馬とするかは別として、この頃の競馬ファンの中では、最強馬はシンボリルドルフだとするファンが一番多かったのではないだろうか?
シンザン、ハイセイコー、スピードシンボリ、テンポイント、トウショウボーイ、カブラヤオー、ミスターシービー、タマモクロスなど、ファン自身が観て来た中から最強馬が選択されるのは当然の事であり、おそらく競馬を観ていた時代によって最強馬のイメージは違うだろう。
そんな中でも、史上初の無敗の3冠馬となったシンボリルドルフを日本最強馬とするムードが1番強かったと思う。
オグリはまだ、最強馬と呼ばれる存在ではなかったと思う。どちらかというと、地方から中央に上がって活躍をしたハイセイコーとイメージをダブらせてマスコミも報道していたし、強さというより、不屈の闘志で頑張る馬という感が強かった。
そうは言ってもオグリの強さはファンの多くを魅了していたし、その人気は凄まじかった。有馬記念で不可解な敗戦をしても、人気は衰えることはなく、安田記念の時だって、多くのファンが徹夜で競馬場が開くのを待っていたし、SGHCのメンバー達も、2日前から徹夜で競馬場前に陣取っていたほどだ。
多くのファンと同じように開門と同時にゴール前を確保し、レースの時を待った。

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