オグリキャップ(5)
競馬好きの大学生が壮大な夢物語を語ってから数日後、オグリキャップ陣営から、オグリのローテーションが発表され、スポーツ紙の記事を大きく飾った。
何と宝塚記念出走後、北米最大のレース・アーリントンミリオンに挑戦すると発表したのだ。これにはファンもマスコミも騒然となった。海外への挑戦という言葉は理解してもイメージ出来ないファンが多数だったと思う。
ジャパンカップ創設後、世界との差を痛感していた日本競馬界。日本史上最強馬だったシンボリルドルフを以ってしても通用しなかった世界の競馬。
そんな中、地方からデビューし、国内のエリートをなぎ倒した不屈の魂を持つ馬、オグリキャップが海外に挑戦する。
オグリなら、海外でも何とかしてくれるんじゃないか?!
一気に壮行レースの感が強くなった宝塚記念だったが、気になったのが鞍上。
武豊は安田記念一戦のみの騎乗依頼だったらしく、アーリントンミリオンにしても宝塚記念にしても鞍上はまだ決まっていなかった。
一体誰が騎乗するのか?
注目されたオグリの鞍上は、何とデビュー3年目の岡潤一郎騎手と決まった。岡騎手はデビューの年に44勝を挙げ新人賞を受賞。2年目の6月には札幌競馬場で5連続騎乗5連勝(当時の新記録)を達成。3年目となる今春にはNHK杯(GⅡ)をユートジョージで勝ち重賞初制覇。確かに若手としては乗れている騎手ではあるが、GⅠの大舞台での経験が殆どない若手の起用である。しかも間違いなく1番人気が予定されるオグリキャップに騎乗するのだ。
オーナーと同じ高校を卒業しているから同郷のよしみで乗せるらしいとか色々と報道されたが、多くのマスコミ、ファンは不安の声の方が大きかった。

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